1. 材料の準備も、制作スケジュールに含める
デザインや実装が進んでいても、掲載する料金や写真が未確定なら、その部分は仕上げられません。公開日を決めるときは、制作作業に加えて材料の準備と内容確認に使う時間も見込みます。
「原稿と写真をご用意ください」だけでは、作業量が分かりにくいものです。最初に次の3種類へ分けると、自分で決めるものと、制作側に相談できるものを整理できます。
- 写真 ― 商品、店舗、代表者など。構成に合わせて必要な場面を決める
- 文章 ― 料金・経歴・対応範囲を整理し、説明文を誰が作るか決める
- 事実情報 ― 屋号、住所、営業時間、連絡先などを一覧にする
まだ用意できないものには、揃う時期を添えます。すべてが完成する日を待つより、準備状況を共有するほうが制作の予定を立てやすくなります。
2. 写真 ― 何をどれだけ、どこまでスマホでよいか
開業時の標準的な構成(5〜10ページ)で必要になる写真を、ページ別に数えます。
| 場所 | 枚数の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| トップ | 3〜5枚 | 事業を象徴する場面。店なら外観と店内、技術が商品なら仕事中の手元 |
| サービス・メニュー | 各1〜2枚 | 提供物そのもの。施術、料理、施工例、商品 |
| プロフィール | 1〜2枚 | 代表者の顔写真。あれば仕事中の一枚 |
| 店舗・アクセス | 2〜3枚 | 外観(明るい時間)、入口、内観 |
| 実績・事例 | あれば各1枚 | 施工の前後、作品、納品物 |
サービスや実績の紹介を含む10ページ程度なら、候補写真を15〜25枚ほど用意する構成が一つの目安です。必須枚数ではなく、掲載箇所や写真の共用によって変わります。このうちスマホで撮って足りるものが大半です。明るい時間に、横位置で、引きと寄りの2枚ずつ。この原則さえ守れば、いまのスマートフォンのカメラは掲載に耐えます。明るさと色味の調整は制作側でできます。
例外は2つです。代表者の顔写真は、第三者に撮ってもらうと、構図や背景を整えやすくなります。掲載する場合は本人の写真を使いますが、顔出しが難しければ、氏名・経歴・仕事の様子をどう伝えるか相談できます。それから、トップの1枚はサイト全体の印象を決めるので、撮影に予算を使うならここです。プロに依頼する場合は、撮影場所や必要なカットを伝えて、所要時間と費用を見積もります。
ストック写真(素材集の写真)には線引きがあります。使ってよいのは、雰囲気を補う背景的な場所だけ。使ってはいけないのは、実物の代わりをさせる場所です。店内、商品、施術風景、そして人物。素材集のモデルが自分の店のスタッフのように見える使い方をすると、来た客が最初に感じるのは「写真と違う」で、実際のサービスへの期待とずれてしまいます。
3. 文章 ― 料金・経歴・対応範囲を先に整理する
「文章が書けないので進められない」という心配は、半分は誤解です。ホームページの文章には、制作側が起こせるものと、起こせないものがあります。
制作側が起こせるもの。サービスの説明、事業への思い、よくある質問の答え。原稿作成が依頼範囲に含まれていれば、ヒアリングで話した内容を制作側が文章にできます。見積もり時に、原稿作成の範囲と確認の回数も決めておきます。話すことと書くことは別の技能で、書けない人でも話せば材料は十分に出ます。書き慣れない人が一人で仕上げた原稿より、話し言葉から起こしたほうが読みやすくなることも多いくらいです。
発注者にしか確定できないもの。次の3つです。
- 料金。何をいくらで提供するか。「○○円〜」という幅のある書き方でも構いませんが、決められるのは発注者だけです。個別見積もりの場合は、金額が変わる条件や見積もりの流れを整理します。
- 経歴の事実。何年にどこで何をしていたか。資格・許認可の正式名称。これは作文ではなく事実の確認なので、箇条書きで十分です。
- やらないことの線引き。どこまでやって、どこから引き受けないか。ここが曖昧なまま公開すると、想定外の問い合わせへの返事に、開業直後の時間を取られ続けます。
着手前は、料金の目安、経歴の箇条書き、対応できること・できないことのメモがあれば、原稿づくりの材料になります。制作側が文章にしたあとも、事実や約束する内容が合っているかは事業主が確認します。
4. 事実情報 ― 細かいが、無いと止まるもの
次の一覧は、構成や掲載内容を決める際の確認項目です。決まっている項目から埋め、未定のものには確定予定日を添えると、そのまま制作側へ共有できます。
- 屋号の正式表記(日本語・ローマ字)と読み仮名
- 代表者名の表記(本名か、屋号と別のビジネスネームか)
- 住所(未定なら市区まで。開業前の扱いは別記事)
- 電話番号と、サイトに載せるかどうか
- 営業時間・定休日
- 決済手段(現金のみか、カード、コード決済の種類)
- 駐車場の有無と台数
- 資格・許認可の名称と番号(業種による)
- SNSアカウントのURL
- 建物の入口が分かりにくい場合、その目印
このうち「電話番号を載せるか」だけは、開業時に一度考えておく価値があります。電話で連絡しやすくなる一方、営業電話の窓口にもなります。問い合わせ方法は、対応できる時間帯と、業種や販売方法に応じた表示事項を踏まえて決めます。あとから載せるのは簡単で、逆は面倒です。一度公開した番号は、検索結果や転載先から完全には消せません。
5. 渡し方 ― 全部揃うのを待たなくてよい
材料は、全部揃ってから渡す必要はありません。先に受け取れる内容が分かれば、制作側も着手できる作業を分けられます。
- 先に出す。料金の下書き、経歴の箇条書き、事実情報の一覧。ここまでで、構成と文章の作業は始められます。
- 並行で撮る。写真は構成が決まってからのほうが、何を撮ればよいかが具体的になります。制作側から「この場所で、この向きの1枚」という指定を受けてから撮ると、撮り直しが減ります。
- 最後でよい。ロゴ、開業直前にしか撮れない写真(完成した内装など)。あとで差し替える前提で進めるのが普通で、公開を止める理由になりません。
一つだけ、後回しにできないものを繰り返しておきます。料金です。料金が未定のままだと、サービスページの構成も問い合わせの導線も仮組みで進み、最後にまとめて手戻りします。料金を公開できない場合も、「個別見積もり」とする理由や相談の流れまで決めておくと、構成を具体化できます。
デジステップの制作期間は約2週間〜1か月が目安です。依頼時に材料の準備状況と確認できる日程を共有すると、公開までに必要な作業を具体的に組めます。
公開後に料金やお知らせを誰が直すかも、材料を渡す段階で決めておくと作り方を選びやすくなります。WordPressのような更新の仕組みが要るかは、更新する内容と担当者から決める記事で整理しました。