1. 客の行動は3段階に分かれ、受け持ちが違う
どちらから始めるかを考えるときは、お客さまが来店や依頼に至るまでを分けてみると、必要な情報が見えてきます。
- 知る。投稿、紹介、検索、地図などから事業の存在を知る。
- 確かめる。料金・場所・実績・提供内容を調べる。
- 連絡する。予約や問い合わせをする、店へ行く。
Instagramは写真や動画で商品や仕事の様子を伝えやすく、ホームページは料金表や依頼の流れをまとめて案内しやすい、という違いがあります。ただし、役割は重なります。Instagramの情報だけで予約が決まることも、検索で初めてホームページを知ることもあります。
いま不足しているのが、知ってもらう機会なのか、比較・検討のための説明なのか。先に整える場所は、この違いから考えられます。どちらも作っただけで集客が決まるわけではなく、必要な情報と案内の経路を用意することが大切です。
2. Instagram先行でよい業種 ― 見た目が商品である場合
次の条件に当てはまる商売は、Instagramから始めてよい側です。
- 商品やサービスの見た目が、選ばれる理由の大部分を占める。料理、ヘアスタイル、ネイル、菓子、花、雑貨、ハンドメイド。
- 来店や購入を試しやすい。詳細な見積もりや長い相談がなくても、商品や価格を見て検討できる。
- 投稿の素材が日々の営業から自然に生まれる。今日作ったもの、今日の仕上がりを撮ればよい。
この条件では、投稿がそのまま商品見本になり、「知る」と「確かめる」の一部を同時にこなします。営業しながら投稿用の素材を用意できるなら、開業時にも続けやすい運用になります。
ただし、先行してよいのは順番の話であって、それきりでよいという意味ではありません。知られて、指名で調べられるようになった時点で、「確かめる」の受け皿が細いことが効いてきます。営業時間、場所、メニューと料金、予約の方法。確認したい客が増えるほど、プロフィール欄の数行では取りこぼしが出ます。同じ質問への回答が増えた、料金や依頼条件を投稿だけでは説明しにくいと感じたら、ホームページにまとめる理由になります。開業からの月数だけで決める必要はありません。
3. ホームページが先の業種 ― 確かめられてから選ばれる場合
逆に、次のどれかに当てはまるなら、Instagramより先にホームページです。
- 単価が高く、客が比較・検討してから決める。リフォーム、士業、コンサルティング、オーダーメイドの商品。価格だけでなく、対応範囲や実績、依頼後の流れも比較材料になります。
- 指名で検索される。紹介が主な経路の商売は、紹介された名前で検索されます。検索の受け皿が無いときに起きることは別の記事に書いたとおりで、ここが空振りすると紹介そのものが目減りします。サイトがあるのに名前で出てこない場合は、会社名で検索しても出てこないときの確かめ方で原因を切り分けられます。
- 信頼の確認が選択の中心にある。治療院、教室、保育、施術系。誰がやっているのか、資格は、場所は、料金は。確認に答える器が先に要ります。
- 法人向けの取引。会社概要、対応範囲、実績を社内の検討資料として共有してもらう場合は、情報をまとめたページが役立ちます。
これらの業種でInstagramが無意味なわけではありません。教室の日常や施工の過程は、投稿の題材として十分に働きます。ただ、順番は受け皿が先です。興味を持った人が、依頼前の疑問を解消して連絡できる状態を先に整える、という順番です。
| 判断の軸 | Instagram先行 | ホームページ先行 |
|---|---|---|
| 選ばれる理由 | 見た目・雰囲気 | 信頼・実績・条件 |
| 単価 | 低め。試しに行ける | 高め。比較検討される |
| 客の来かた | 投稿から偶然知られる | 紹介・検索で指名される |
| 業種の例 | 飲食、美容、菓子、雑貨 | 士業、リフォーム、教室、治療院、BtoB |
4. Instagram先行を選んだ場合に、先にやっておく2つのこと
Instagramから始める場合は、あとでホームページを加えるときの準備もできます。
1. ドメインの候補を確認する。将来サイトに使いたい名前があるなら、アカウント名を決める際に空き状況も調べられます。取得する場合は、サイトを公開するまでの間も更新費用がかかります。同じ表記が取れなくても、屋号やロゴ、リンクの案内で同じ事業だと伝えられます。名刺とドメインの準備では、メールも含めた順番を整理しています。
2. 対面でサービスを提供する事業なら、地図の情報も整える。Googleビジネスプロフィールの対象となる店舗や訪問型の事業では、所在地やサービス提供地域、営業時間を案内できます。登録とオーナー確認が必要で、開業予定日を設定して準備する方法もあります。オンラインだけで完結する事業など、対象にならない場合もあります。
Instagramへのリンクは、利用できる場合にはビジネスプロフィールのソーシャルプロフィール欄に設定できます。ホームページが完成したら、ウェブサイト欄から案内する形に整理します。
5. 両方持ったら、三角形につなぐ
ホームページとInstagramを両方使うなら、それぞれの入口から必要な情報へ進めるようにリンクを置きます。
- Instagramからホームページへ。プロフィールのリンクから、詳しいメニュー・料金・予約方法を案内します。
- ホームページからInstagramへ。最近の商品や仕事の様子を見たい人へ、投稿を案内します。
- Googleビジネスプロフィールから各ページへ。ウェブサイト欄にサイトを設定し、利用できる場合はソーシャルプロフィール欄にもInstagramを追加します。
詳しいサービス説明はサイトにまとめ、日々の様子はInstagramで伝える、と分担すると更新を管理しやすくなります。ただし、営業時間・所在地・連絡先をサイトだけに置けばよいわけではありません。地図だけを見て来店する人もいるため、Googleビジネスプロフィールの情報も最新に保ちます。
変更時に更新する場所を一覧にしておくと、食い違いを減らせます。たとえば営業時間を変える日は、サイトと地図、Instagramに載せている案内をまとめて見直します。